目的:本研究は慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者のエネルギー必要量(EER)の推定式を作成し,その妥当性について検討することを目的とする.
方法:対象はCOPD急性増悪の診断で入院し,間接熱量測定を実施した96名を対象とした.安静時エネルギー消費量(REE)に1.5を乗じた値を実測推定エネルギー必要量(mEER)とした.mEERの回帰モデル式を作成し,mEER推定式の妥当性の検討にはmEERの回帰モデル式から算出した予測推定エネルギー必要量(pEER),Harris-Bendict式から算出した予測推定エネルギー必要量(pEERHB)とmEERの系統誤差と妥当性の検討をBland-Altman解析を用いて実施した.
結果:回帰モデル式はpEER=1994.1+22.0×体重-16.0×年齢となった.pEERとmEERに系統誤差は認めず,一致度は82.4%であった.pEERHBとmEERとの間には加算誤差を認め,一致度は64.7%であった.
結論:本研究で作成したCOPD患者のmEERの推定式は,pEER=1994.1+22.0×体重-16.0×年齢であり,pEERはpEERHBと比較して信頼性が高く,誤差が少ないことが示唆された.
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