【目的】胃癌術後早期の運動耐容能の回復に及ぼす因子について検討した.
【方法】胃癌患者で胃切除が施行された胃癌患者24例を対象とした.評価項目は術前を100とした術後7日目の6分間歩行距離(6MWD)の回復率,創部痛(NRS),血液データとしてアルブミン値,BMI,喫煙指数,肺機能,手術時間と出血量,術後の歩行開始日数,歩行自立日数,理学療法日数,入院日数,合併症の有無とした.統計解析は6MWD回復率に関連する因子をSpearmanの相関係数を用い,6MWDの回復率を中央値85%で良好群と不良群の2群に分け比較した.
【結果】良好群と不良群の比較では,不良群の手術時間が有意に延長していた.また,6MWD回復率と手術時間において有意な相関が認められた.
【結論】胃癌術後早期の運動耐容能の回復には手術時間が有意に関連するが,術後合併症の増加や入院期間の延長までには影響を及ぼさない可能性が示唆された.