日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
症例報告
高流量鼻カニュラで効果的な運動療法が実施できた肺ランゲルハンス細胞組織球症の一例
木本 祐太 東本 有司白石 匡杉谷 竜司水澤 裕貴木村 保田平 一行西山 理松本 久子
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2022 年 30 巻 3 号 p. 355-359

詳細
抄録

【目的】肺ランゲルハンス細胞組織球症(PLCH)は難治性希少疾患のため,治療法やリハビリテーションの効果は確立されていない.今回,肺高血圧症を合併したPLCH患者に対して高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNCOT)を併用した運動療法を実施し,良好な成績が得られたため報告する.

【症例紹介】肺高血圧増悪,心不全にて入院し,第4病日より理学療法開始した.運動時低酸素血症が顕著であり,運動負荷の調整に難渋した.経鼻カニュラとHFNCOTでの運動負荷試験の結果から,運動療法中にHFNCOTを用いることとした.

【経過】HFNCOTにより低酸素血症は抑制され,十分な強度での運動療法が可能となり,独歩にて退院となった.

【まとめ】HFNCOTはPLCH患者の運動時低酸素血症の抑制に有効であり,運動療法を安全かつ効果的に実践する一助となると考えられた.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top