慢性閉塞性肺疾患(COPD)の身体活動性維持・向上は,重要な管理目標のひとつである.我々は,日本人COPD患者の身体活動性に対する3軸加速度計を用いた評価体制の構築をおこなってきた.海外使用機種の日本人への適用是非の検証,国内販売機種の日本人COPD患者に対する妥当性検証を行い,本邦におけるCOPD活動性測定体制が確立できた.
日本人COPD患者では,歩数の低下,強度別活動時間の短縮がみられ,呼吸機能,呼吸困難感,運動耐容能,就業状態などが身体活動性に関連することが確認できた.気管支拡張薬の追加投与あるいは単剤に比べた配合剤投与は,身体活動時間を有意に延長させ,近年注目されているセデンタリー時間も有意に短縮することが確認できた.
今後とも引き続き,身体活動時間の延長とセデンタリー時間の短縮を目指し,臨床研究を継続してまいりたいと考えている.