【背景と目的】COVID-19患者を対象に,隔離解除時および退院後の酸素療法必要性の有無を調査することを本研究の目的とした.
【対象と方法】2020年12月~2021年6月にCOVID-19陽性となり,当院専用病棟に入院した中等症IIおよび重症患者98名を調査対象とした.隔離解除時の酸素療法有無と,発症から酸素療法終了までの日数を重症度別に集計した.
【結果】平均年齢68.3歳,男性が66名(67.3%),隔離解除時に50名(51.0%)の患者が酸素療法を必要としていた.20日目の時点で酸素療法を必要としていたのは,中等症IIが20%であったのに対し重症は60%であった.しかし,100日目には差を認めず,それぞれ10%弱が在宅酸素療法を含め酸素療法を必要としていた.
【結語】COVID-19陽性患者のうち中等症IIは比較的早期から酸素療法を離脱できるが,重症は離脱までにより時間を要していた.しかし,発症から100日程度で重症度に関係なく多くの患者が酸素療法を離脱できることが分かった.