日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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教育講演
時間運動学と時間栄養学
柴田 重信
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2022 年 31 巻 1 号 p. 30-34

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抄録

まず呼吸ケアリハビリテーションと体内時計の関連性があるか否かについて考えてみよう.時計遺伝子は呼吸器にも発現していることから,呼吸機能に日内リズムが見られることになる.実際,安静時の呼吸数には日内リズムが存在し,気管支喘息の発症は明け方に多いという日内リズムがあり,時差ボケの状態では喘息発作が悪化することが知られている.したがって,健全な生活リズムの維持の下で呼吸ケアリハビリテーションを行うことが重要であろう.ところで体内時計は視交叉上核に主時計があり,それ以外の脳には脳時計が,末梢臓器である肺,肝臓,骨格筋・骨には末梢時計がある.体内時計と運動(時間運動学)や体内時計と食・栄養(時間栄養学)の関係について知り,これらの学問が作業療法などを含む呼吸ケアリハビリテーションの実施に如何に役立てるかについて考えることにする.以下に時間栄養や時間運動に関する総説1,2,3,4,5)や著書6)を挙げておく.

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© 2022 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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