2024 年 33 巻 1-3 号 p. 81-88
高齢肺炎患者における早期栄養療法を含む早期呼吸リハビリテーションが在宅復帰に及ぼす影響について傾向スコアマッチングを用いて検討した.65歳以上で肺炎にて入院となり,選択基準を満たした149名を対象とした.入院後2日以内に呼吸リハビリテーションおよび経口摂取または経腸栄養の栄養療法を開始できた早期介入群と対照群の2群を傾向スコアマッチングにより交絡因子を調整した.結果,早期介入群46名と対照群46名に分類された.対照群と比較して早期介入群では,在宅復帰率が有意に高かった(早期介入群100.0% vs 対照群84.8%,p=0.018).高齢肺炎患者における早期からの非薬物療法介入は,在宅復帰率を高める可能性がある.今後,高齢肺炎患者における早期からの非薬物療法介入の有効性だけでなく安全性も含めて多施設共同で前向きに検証していく必要がある.