日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
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原著
一般病棟における安全な人工呼吸管理体制の構築を目指して
原 千春 中井 聡紀銀杏 猛寺西 敬
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2024 年 33 巻 1-3 号 p. 89-94

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抄録

当院は人工呼吸器を装着すると如何なる症例でも集中治療室(ICU)に在室し続ける傾向があり,ICUへの長期滞在が顕在化している.気管切開施行後の状態が安定している人工呼吸器装着患者であっても,一般病棟の看護師から管理困難と言われるケースが少なくない.結果として,特定集中治療室管理料の算定期間を越えてICUのベッドを長期間占拠し,新たに集中治療が必要な患者が入室困難になることがある.そこで,呼吸サポートチームが一般病棟で人工呼吸管理を行える体制作りができないかと考え,一般病棟,ICUの看護師を対象に人工呼吸管理に関する現状調査を行なった.一般病棟では,特に不安や知識不足に関連する回答が多く占めていたため,ニーズに応じた勉強会やOn The Job Trainingの実施と,24時間一般病棟の看護師が相談できる体制(スキーム)を整えた.その結果,一般病棟看護師の人工呼吸管理に関する不安緩和に繋がった.

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© 2024 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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