2025 年 34 巻 1 号 p. 30-35
肺炎回復期の呼吸リハビリテーションでは,まず排痰や呼吸練習などのコンディショニングから開始する.また,日常生活活動(activities of daily living,以下ADL)トレーニングを行いながら,低強度での運動療法の割合を徐々に増やし,運動強度を増加していくことや時間の延長を図っていく.維持期では,呼吸困難の軽減,運動耐容能の向上および身体活動性の向上・維持を主たる目的とする.重症例における運動療法では,コンディショニングや低強度の全身持久力・筋力トレーニングから開始する.軽症例では,全身持久力・筋力トレーニングが開始時より主体となり,強度も高強度から開始可能である.
再発予防には,原因に対する個別の対策が必要である.本稿では症例を提示しながら,肺炎後の呼吸リハビリテーションを紹介する.