肺炎に対する呼吸リハビリテーションは,入院後早期から開始することが重要であり,そのためには担当医によるリハ処方が必要である.介入遅延は入院関連機能障害を誘発し,高齢入院患者の約30%で発症する1)と言われている.介入目的は,①呼吸状態の改善(呼吸管理の一環としての体位変換や気道クリアランス法),②早期離床の獲得(安静度の確認と多職種連携,バイタルサイン評価),③廃用症候群の予防と再調整,運動耐容能の回復(炎症所見の確認,栄養療法と運動療法の併用),④日常生活動作の再獲得(情報収集)などに集約される.明確な短期,または中長期的アウトカムを設定し,その目標が達成出来たか否かを評価しつつ呼吸リハビリテーションを展開する.早期離床に関しては,抗生剤による感染コントロールが出来ているかを確認し,全身状態,特に呼吸・循環動態に関してバイタルサインやフィジカルアセスメント等の評価を駆使する必要がある.