日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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34 巻, 1 号
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スキルアップセミナー
  • 花田 匡利, 芦澤 信之, 山梨 啓友, 関野 元裕, 泉川 公一, 迎 寛, 有吉 紅也, 前田 隆浩, 原 哲也, 神津 玲
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2025 年34 巻1 号 p. 1-6
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    2020年1月に国内初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した患者が確認されて以降,国内の感染者数は約1,200万人以上,死亡者数も約3万2千人に上り(2022年7月現在),いまだ終息の気配は見えず深刻な事態が続いている.

    その間,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は変異を繰り返しながら感染力を高め,全世界で猛威を振るっている.当院は県内の基幹病院として,中等症および重症例を受け入れ,治療とともに積極的に呼吸リハビリテーションを実施している.COVID-19患者に対する呼吸リハビリテーションは,超急性期の重症患者から,後遺症を抱える回復期の患者までその適応は幅広く,感染拡大が終息してない状況では今後も対象者の増加が懸念される.同患者に対する呼吸リハビリテーションの報告は限られており,その増加を期待するとともに,今後は効果の検証を行う必要がある.

  • 稲垣 武
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2025 年34 巻1 号 p. 7-12
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    間質性肺炎(IP)は,運動時低酸素血症(EID)や労作時呼吸困難を特徴とする進行性の慢性呼吸器疾患で,重症化すると肺高血圧症(PH)を合併する.近年,本症に対する呼吸リハビリテーションに関する報告が蓄積され,運動耐容能,呼吸困難,健康関連QOLの短期的な改善効果が認められている.その一方で,EIDやPHを合併する可能性があることから,運動療法時に対策やリスク管理を十分に講じることが重要で,さらには進行性疾患であることから,予後予測と病期に合わせた介入が求められる.本稿では,IPの特徴を踏まえた呼吸リハビリテーションの実際について述べるとともに,増悪後やPHを合併した際の介入のポイントについても紹介したい.

  • 猪飼 やす子
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2025 年34 巻1 号 p. 13-18
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    間質性肺炎は,増悪と寛解を繰り返しながら進行する慢性疾患である.間質性肺炎のうち,原因を特定できるものは,その原因に対する治療を要する.一方,原因を特定できない特発性間質性肺炎は指定難病であり,9類型あるうち特発性肺線維症が最も多い.間質性肺炎の経過,予後ならびに治療は,類型により異なる.また,治療は未確立とされるものも多い.主症状は呼吸困難感や乾性咳嗽であるが,症状緩和が難しいため,心身ならびに生活への影響は大きい.看護援助に関するエビデンスは限られており,現在は,ベスト・プラクティスを蓄積している最中にある.本稿では,慢性疾患における看護の概念と慢性疾患をもつ人への看護実践の基盤となる病みの軌跡理論を概説する.続いて,間質性肺炎療養者とその家族の生活の質の向上に向け,意思決定支援,セルフマネジメント支援,ならびに実存的苦痛への看護など10項目を取り上げ,解説する.

  • 岩永 直樹, 迎 寛
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2025 年34 巻1 号 p. 19-23
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    近年のCOVID-19の蔓延により,国民の呼吸器感染症に対する注目度はかつてない程に高まっている.また疫学的に肺炎の死亡者の95%以上が65歳以上であることが分かっており,世界的にみても稀有なスピードで高齢化が進む我が国では,高齢者肺炎への対策は国をあげて取り組むべき懸案事項となっている.従って,私たち医療従事者はたとえ非専門家であっても,肺炎に関する基礎知識を習得しておくことは必要不可欠であろう.COVID-19が肺炎診療の在り方を大きく変えつつあり,更に我が国では肺炎診療ガイドラインの改訂中でもあることから,今回改めて肺炎という疾患を基礎から振り返っておくことは,日々の診療においても有益であろうと考えている.本総説は患者さんやその御家族に平易な言葉で説明できるようになるための基礎的な内容になっているが,熟練者にとっても基礎知識の再確認のための資料として使用して頂ければ幸いである.

  • 萩森 康孝
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2025 年34 巻1 号 p. 24-29
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    肺炎に対する呼吸リハビリテーションは,入院後早期から開始することが重要であり,そのためには担当医によるリハ処方が必要である.介入遅延は入院関連機能障害を誘発し,高齢入院患者の約30%で発症する1)と言われている.介入目的は,①呼吸状態の改善(呼吸管理の一環としての体位変換や気道クリアランス法),②早期離床の獲得(安静度の確認と多職種連携,バイタルサイン評価),③廃用症候群の予防と再調整,運動耐容能の回復(炎症所見の確認,栄養療法と運動療法の併用),④日常生活動作の再獲得(情報収集)などに集約される.明確な短期,または中長期的アウトカムを設定し,その目標が達成出来たか否かを評価しつつ呼吸リハビリテーションを展開する.早期離床に関しては,抗生剤による感染コントロールが出来ているかを確認し,全身状態,特に呼吸・循環動態に関してバイタルサインやフィジカルアセスメント等の評価を駆使する必要がある.

  • ~在宅での再発予防も含めて~
    池内 智之, 河野 哲也, 津田 徹
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2025 年34 巻1 号 p. 30-35
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    肺炎回復期の呼吸リハビリテーションでは,まず排痰や呼吸練習などのコンディショニングから開始する.また,日常生活活動(activities of daily living,以下ADL)トレーニングを行いながら,低強度での運動療法の割合を徐々に増やし,運動強度を増加していくことや時間の延長を図っていく.維持期では,呼吸困難の軽減,運動耐容能の向上および身体活動性の向上・維持を主たる目的とする.重症例における運動療法では,コンディショニングや低強度の全身持久力・筋力トレーニングから開始する.軽症例では,全身持久力・筋力トレーニングが開始時より主体となり,強度も高強度から開始可能である.

    再発予防には,原因に対する個別の対策が必要である.本稿では症例を提示しながら,肺炎後の呼吸リハビリテーションを紹介する.

  • 俵 祐一, 花井 聡
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2025 年34 巻1 号 p. 36-40
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    摂食嚥下障害は,食物や飲み物を口から胃に運ぶ運動が妨げられる状態を指し,誤嚥性肺炎のリスクを高めることが知られている.特に高齢者は誤嚥性肺炎の発症率が高く,予防とリハビリテーションが重要となる.摂食嚥下リハビリテーションには,呼吸理学療法や嚥下の基礎訓練,運動療法が含まれ,嚥下筋のサルコペニアやオーラルフレイルといった加齢による機能低下への対応も求められる.近年,呼気筋トレーニングは嚥下機能改善に有効と報告されており,さらには咽頭機能の向上も期待されている.また,摂食嚥下リハビリテーションは多職種の連携が重要であるが,その一例として,浜松市リハビリテーション病院ではえんげサポーター養成講座を通じて多職種が統一した知識と技術を習得し,患者ケアに貢献している.今後,呼気筋トレーニングなど新しい治療法の発展により,高齢者肺炎や摂食嚥下障害に対する多角的なアプローチが期待される.

  • 石高 拓也
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2025 年34 巻1 号 p. 41-45
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    High flow nasal canula(高流量酸素カニュラ,以下:HFNC)は酸素療法の一つとして位置づけられているが,鼻腔からの高流量供給により様々な生理学的効果を得る事ができ,多くの症例に使用されています.その効果はダイナミック気道陽圧や死腔量の洗出しによって,一般的な酸素療法に比べて呼吸仕事量を軽減につながります.また高流量供給によって安定した酸素吸入が可能でありHFNC使用におけるメリットは多いと感じます.HFNCを有効に使用するためにはHFNC装置のメカニズムや生理学的効果の機序など,幅広く理解しておく必要があります.また,HFNC装着時の管理プロトコールを準備しておくことで患者病態に応じたアセスメントを的確に行うことができるため,より質の高い医療の提供のためにも各施設における呼吸管理体制の構築が重要となります.

教育講演
  • 沓澤 智子
    原稿種別: 教育講演
    2025 年34 巻1 号 p. 46-51
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    COPD患者には,全身併存症の1つとして,筋萎縮や筋力・持久力低下といった骨格筋機能障害が認められる.肺線維症患者でも,筋量減少,大腿四頭筋の筋力低下を認めるが,COPD患者より罹患期間が短く,骨格筋の変化は時間とともに進行するため,対照群との間に差を認めないことがある.この骨格筋機能障害は,運動耐容能の低下,身体活動性の低下をもたらし,サルコペニアやフレイルの有病率を高め,生命予後に関係する.このような骨格筋の萎縮・質的変化をもたらす因子として,慢性低酸素血症,炎症性ストレス,酸化ストレス,コルチコステロイドの使用,運動不足,栄養不良など,いくつかの確立された筋機能障害の促進因子が報告されている.この中から,炎症性ストレスをもたらすタバコ煙暴露と腸内細菌叢の乱れの筋肉への影響を検討した研究を紹介する.

原著
  • 田中 貴子, 真崎 宏則, 千住 秀明, 森 広輔, 神津 玲
    原稿種別: 原著
    2025 年34 巻1 号 p. 52-56
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    【目的】本研究の目的は,長崎市と東京都の肺年齢測定参加者における慢性閉塞性肺疾患(以下,COPD)認知度ならびに関連する意識について地域間の相違を検討することである.

    【対象および方法】2018年度と2019年度に長崎市COPD検診と東京都内の肺年齢測定会参加者を対象に,呼吸機能検査の実施前・後でCOPD認知度ならびに関連する意識についてアンケートを実施し,地域間で比較検討した.

    【結果】解析対象は,長崎市445名(平均年齢68歳),東京都2,681名(平均年齢56歳),COPD認知度は長崎,東京の順で57%,45%であった.呼吸機能検査後,「COPDのことを知ることができたか」の問いに,「できた」と回答した者は,長崎76%,東京93%,さらに,「家族や知人に肺年齢測定を伝えようと思うか」の問いに,「思う」と回答した者は長崎84%,東京90%であった.

    【結論】肺年齢測定は地域特性に関係なくCOPD認知度の啓発活動の一環として重要であることが示唆された.

  • 岩波 裕治, 海老原 賢人, 久保 隆希, 宮城 翠, 仲村 泰彦, 坂本 晋, 岸 一馬, 海老原 覚, 大国 生幸
    原稿種別: 原著
    2025 年34 巻1 号 p. 57-63
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    目的:特発性肺線維症(IPF)患者における呼吸筋力指標の有用性を調査する.

    対象:2014年7月から2019年3月に当院リハ科を受診したIPF患者90名(年齢:74.5±8.2歳,性別(男/女):74/16)とした.

    調査方法:初診評価の基本情報,重症度(GAP Index),修正MRC息切れスケール,肺機能検査,膝関節伸展筋力(QF),握力,6分間歩行距離(6MWD),SGRQを診療録より後方視的に調査した.呼吸筋力(PImax,PEmax)は,重症度別に比較し,各指標との関連性を検討した.統計解析は,重症度別の比較に一元配置の分散分析および多重比較検定,呼吸筋力と各指標との関連にPearson の相関係数を用い,有意水準を5%とした.

    結果:PImaxは,重症度での有意差を認めず,PEmaxは,GAP Index Stage IIIでStage I・IIと比べ有意に低値を示した.また,呼吸筋力は,修正MRC息切れスケール,QF,握力,6MWD,SGRQと有意な相関を認めた.

    結論:IPF患者において呼吸筋力は各指標と関連しており,身体機能を表す有用な評価指標であることが示唆された.

  • 木戸 孝史, 奥野 将太, 白土 健吾, 川満 謙太, 安田 学
    原稿種別: 原著
    2025 年34 巻1 号 p. 64-69
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
    [早期公開] 公開日: 2024/09/18
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    【目的】肺癌手術患者の入院期間中に生じる手術関連骨格筋量減少(surgery-related muscle mass loss; SRML)の程度,および入院期間中に生じるSRMLと術後1ヶ月の運動耐容能との関連を検証した.

    【方法】対象は,非小細胞肺癌に対して肺葉切除術を施行した連続症例とした.入院期間中の骨格筋量減少((術前骨格筋指数(skeletal muscle mass index; SMI)-退院前SMI)/術前SMI×100;SMI減少率)が,術後1ヶ月6分間歩行距離(Six-minute walk distance; 6MWD)/術前6MWD×100(6MWD術前比率)に影響を与えるのか,重回帰分析を実施した.

    【結果】対象は105名であり,年齢が71.0歳,男性が57名であった.SMI減少率は4.2%であり,6MWD術前比率の独立因子であった.

    【結語】肺癌手術患者は術後早期からSRMLが生じる可能性が高く,術後の運動耐容能回復には入院期間中に生じるSRMLの評価,および対策に努める必要がある.

  • 浦上 勇也, 溝渕 裕規, 関 真旺, 原田 亜記, 後藤 佳穗, 山本 和幸, 山地 康文, 飯原 なおみ
    原稿種別: 原著
    2025 年34 巻1 号 p. 70-75
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    【背景】吸入療法は気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患治療において重要であるが,保険薬局において吸入指導を拒否する患者が存在する.

    【目的】吸入薬の継続使用患者に対する医師提案による吸入指導の承諾割合,及び吸入手技を明らかにする.

    【方法】医師から吸入指導依頼があった吸入薬継続使用患者を対象に,医師提案の吸入指導承諾割合,及びそれら患者の吸入手技を後方視的に調査した.

    【結果】解析対象107名のうち,医師提案の吸入指導承諾患者104名(97.2%),拒否患者3名(2.8%)であった.医師提案の吸入指導承諾患者104名のうち,薬剤師提案の吸入指導承諾患者44名(42.3%),拒否患者33名(31.7%)で前者の吸入手技不良割合は4割であったが後者は7割を超えていた.

    【結語】潜在的吸入手技不良患者が多数存在する中,吸入薬継続使用者に対して保険薬局で確実に吸入指導を行うには医師の吸入指導依頼が重要である.

症例報告
  • 奈良 猛, 稲垣 武, 安部 光洋, 齋藤 幹人, 鈴木 拓児, 村田 淳
    原稿種別: 症例報告
    2025 年34 巻1 号 p. 76-81
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    令和4年度の診療報酬改定で,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)に対する在宅高流量鼻カニュラ酸素療法(high flow nasal cannula oxygen therapy: HFNCOT)が保険承認された.しかし,在宅HFNCOT導入時の実践方法や課題については不明な部分が多く,更には重度拡散障害を呈した終末期患者への導入事例はまだあまり知られていない.今回我々は,COPDに合併した終末期特発性肺線維症症例に対する在宅HFNCOTを用いた退院支援を経験した.理学療法では,在宅HFNCOT機器を用いた歩行練習や日常生活活動指導,患者教育,環境調整などを多職種と連携して実施し,円滑に退院準備を進められたが,惜しくも退院予定日に呼吸状態が悪化し,翌日に永眠された.本症例より,在宅HFNCOT導入を含む退院支援には,理学療法士が積極的に関わっていく必要があると考えられた.

  • 清水 一希, 塩出 昌弘, 濟藤 智子
    原稿種別: 症例報告
    2025 年34 巻1 号 p. 82-86
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
    [早期公開] 公開日: 2024/07/31
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    今回,特発性肺線維症をベースとした慢性呼吸不全のために在宅酸素療法と呼吸リハビリテーションが導入されている生活期にある症例に対して,生活行為向上マネジメント(management tool for daily life performance; MTDLP)を用いての作業療法を行った.本症例は地域生活にて身体機能・活動量・QOLが低下していた.そこでMTDLPを導入して本症例の希望する“観光列車への乗車”を目標に据えてプログラムを作成し,多職種でアプローチを行った.その結果,身体機能・活動量・QOLの改善を認め,観光列車に乗車することができた.そして,目標を達成してMTDLPによる介入を終了した後も更に改善効果を認めた.MTDLPを用いて呼吸リハビリテーションのアクションプランを計画することは,身体機能・活動量・QOLを効率的に,かつ持続的に向上する可能性が示唆された.

  • 濱田 哲, 半田 知宏, 平井 豊博
    原稿種別: 症例報告
    2025 年34 巻1 号 p. 87-90
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
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    呼吸数は重要なバイタルサインの一つであるが,目視法によるマニュアルカウントが基本で実臨床では連続的に測定される機会が少ない.今回我々は呼吸数の連続モニタリングが可能な酸素濃縮器を使用していた在宅酸素療法患者において,新型コロナウイルスを含めた呼吸器感染症の臨床経過と関連して呼吸数が変動することを観察しえた一例を経験したので報告する.在宅酸素療法患者において酸素濃縮器を介した呼吸数の連続モニタリングは呼吸状態の増悪を予測でき,遠隔医療に活用できる可能性がある.

  • 筧 美波, 高橋 祐介, 高田 春乃, 小林 千穂
    原稿種別: 症例報告
    2025 年34 巻1 号 p. 91-94
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
    ジャーナル フリー HTML

    COPD患者は労作時の呼吸困難を訴えることが多く80%以上の患者は呼吸困難を経験している.呼吸困難に対する対処は病期と関係なく個人によって異なるため,適切なアセスメントを行い,呼吸リハビリテーション介入を行う必要がある.今回は呼吸困難が増強したCOPD症例に対して,呼吸困難へのアセスメントとしてThe Breathing, Thinking, Functioning clinical model(BTFモデル)を活用し介入を行った.本症例では,呼吸困難の主因をBTFモデルの3つのドメイン「呼吸」「思考」「機能」のうち「思考」に焦点を当て,入院直後は精神状態が落ち着くことを優先した介入を行った.その後,呼吸法指導や運動療法を再開した結果,呼吸困難の軽減からADLが向上し,自宅退院に至ったため事例をここに報告する.

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