1995 年 4 巻 3 号 p. 160-163
低酸素・高炭酸ガス血症を伴う胸郭性拘束性換気不全症例8名に対して12分間歩行テストを,(1)室内気吸入・自発呼吸,(2)室内気吸入・鼻マスクによる間欠的陽圧人工呼吸(NIPPV),(3)安静時より高流量の酸素吸入・自発呼吸,の3条件下で行い,NIPPVおよび高流量酸素投与が,歩行距離,運動中・運動後の低酸素血症や高炭酸ガス血症に与える影響を検討した.安静時と比べ,高流量の酸素投与は運動中および運動後10分間程度の換気亢進時には比較的安全に行え,有用であると思われた.一方,NIPPVで,経皮酸素飽和度や経皮炭酸ガス分圧は改善したが,歩行距離は減少した.運動中の換気補助(NIPPV)が有用か否かは,運動の種類や負荷量によると思われた.