1996 年 5 巻 3 号 p. 174-177
症例は67歳男性.肺結核後遺症による慢性呼吸不全のため在宅酸素療法中,意識障害にて入院し人工呼吸管理を開始した.何度か離脱を試みたが呼吸筋疲労のため不成功であり,患者の意思を尊重し,在宅人工呼吸療法(HMV)の導入を検討した.さらに本人と家族の強い希望により発声可能なカニューレを製作した.主治医がコーディネーターとなり呼吸器内科スタッフ,家族,病棟看護婦,臨床工学技師,ホームドクター,当院訪問看護部,地域保健婦等の協力によりHMVを開始した.1994年3月より呼吸器疾患におけるHMVの保険適応が認められるようになり,在宅可能患者が増加することが予想されるが,導入にあたっては病院と業者との事務的手続き,診療体制などの問題点があり今後検討が必要と思われた.