日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
終末期医療として在宅酸素療法を行った16例の検討
―アンケート調査とともに―
有田 健一江島 剛大道 和宏杉原 基弘坂本 直子今岡 尚子
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1996 年 5 巻 3 号 p. 178-183

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抄録

癌腫による終末期呼吸不全症例16例に行われた在宅酸素療法(以下HOTと略す)について検討した.HOT開始から死亡までの期間は平均73日(HOT継続期間の平均は40日)であった.最終的には3例のみが家庭で死亡した.13例は再入院の後に死亡したが,再入院例の1/3の遺族から再入院のタイミングのずれが指摘された.死後に行われた遺族に対するアンケート調査では,HOTに支えられた終末期在宅生活は高く評価された.終末期に行われるHOTは密着した心身面の支援を必要とする場合が多く,訪問看護や家庭医のはたす役割は大きい.終末期症例へのHOT導入基準について,別に新たに検討されてもいいかもしれない.

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© 1996 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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