1997 年 7 巻 2 号 p. 136-140
慢性呼吸不全の急性増悪における非侵襲的陽圧換気(NPPV)の有効性と限界を検討した.対象は32例(男性24例,女性8例,平均年齢71.8歳),38エピソード.挿管回避28エピソード,挿管8エピソード,死亡4エピソードであった.挿管回避例においては,NPPV導入2時間のうちにはpH,PaCO2,呼吸数の有意な改善をみとめた(p<0.05).NPPV離脱25エピソードの検討では,NPPVの使用時間は平均82.9時間,5.9日であった.NPPV失敗例は,成功例と比べ有意に炭酸ガス分圧の高値をみとめ(p<0.05),より重症の高炭酸ガス血症を呈していた.