1999 年 8 巻 3 号 p. 197-201
運動療法は呼吸リハビリテーションの中核的存在であり,ことに慢性閉塞性肺疾患患者のADLに直接的に結びつく運動耐容能や呼吸困難感の改善が期待できることが報告されている.自転車エルゴメータを用いた今回のわれわれの運動トレーニングの検討でも,実施例では短期的および長期的に,運動療法が運動耐容能の向上や,呼吸困難感の軽減に有効であることが示された.呼吸リハビリテーションにおける今後の運動療法の主たる課題は,大規模な対照研究(無作為割りつけによる)による有効性の科学的検証と,運動処方の標準化,長期的に継続可能な在宅プログラムの作成である.