1999 年 9 巻 2 号 p. 143-147
在宅酸素療法施行中の患者7名に対して,酸素供給方法が異なる呼吸同調酸素供給装置2種を用いて運動時の低酸素血症と呼吸困難の程度を比較した.一つの機種は1分間の酸素供給量が固定されているもの(機種A)で,呼吸数の増加に伴い1吸気あたりの酸素供給量は減少する.ほかの一つは呼吸数に関係なく1吸気あたりの酸素供給量が一定のものである(機種B).運動により呼吸数が増加する患者では,機種Aや同調器を使わない鼻カニューラの連続流に比べ,機種Bのほうが運動に伴う低酸素血症や呼吸困難の程度は軽かった(p<0.05).患者の呼吸パターンに応じた呼吸同調酸素供給装置の処方が必要である.