在宅酸素療法(HOT)患者に対する家族(主介護者)の理解度と生活支援状況を明らかにする目的で,HOT患者の主介護者23名にアンケートを行った.またQOLを高めるために行った患者遠足について,不参加であった16名のHOT患者とその主介護者を対象に不参加理由を同一のアンケートで問い,両者の一致度を検討した.家族はHOTの有用性を十分に認識していた.さらに家族は患者の意思形成過程に影響する要因として病状悪化の可能性と不安・引っ込み思案や他人への気兼ねの感情を重視し,この過程を病気によって自発性が抑制された過程ととらえる傾向がみられた.一方,患者自身はより多面的な要因を考慮に入れて,自発性を保ちながら主体的に意思形成にあたる様子が窺われた.患者と家族の「思い」には差が生じることもあるが,患者を支援する際に注意すべきである.外部支援を取り入れた家族介護についても考察した.