論文ID: 22-14
【目的】重症患者における入院関連能力障害(HAD)と退院後の介護予防の必要性との関連を調査することである。
【対象と方法】2021年9月から2022年3月にICUにて48時間以上の人工呼吸管理を施行した20歳以上の患者を対象とする前向き観察研究である。HADの有無の2群で背景因子、退院3ヵ月後の転帰と生活状況等について比較した。生活状況の調査は基本チェックリストを用いて郵送にて行った。また、多重ロジスティック回帰分析を用いてHAD発生に関与する因子を抽出した。
【結果】65例が解析対象者となった。HADは21例に発生した。HAD群で退院3ヵ月後の運動機能低下とフレイルの割合が有意に高かった。また、HAD発生の関連因子としてICU退室時の握力とFunctional Status Score for the ICU合計が抽出された。
【結論】HAD群で退院3ヵ月後にフレイルを呈した症例が多かった。