研究 技術 計画
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デルファイ技術予測における回答者の専門度に関する分析
近藤 悟廣松 毅
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1997 年 11 巻 1_2 号 p. 89-105

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抄録
我が国において、科学技術庁は、1971年以来ほぼ5年毎にデルファイ法による大規模かつ長期的な技術予測調査を実施している。この科学技術庁の技術予測調査は、今後とも我が国の科学技術政策推進のための重要な基礎調査の1つとして継続的に実施されると予想されるため、今後もより有効な調査が実施されていく上でも、またこの調査の結果がより有効に活用される上でも、信頼性の高い結果が得られるように実施方法について吟味し、改良していく必要がある。この事は、現行の調査の方法論について国際的な検討を経て標準的な技術予測調査の方法を確立していく上でも意義があるといえる。なぜならば、最近では同様の方法を適用した長期的な技術予測調査がドイツ、英国等でも実施されているからである。 本論文では、科学技術庁技術予測調査の実施方法に基づく予測結果の信頼性に関する分析の1つとして、最新の第5回予測調査を対象に、特にこれまで論議されることが多かった「専門度の異なる回答者の混成」の妥当性の問題について実証的に分析する。そして、結論として、専門度の低い回答者の回答を含めない方法の方が、現行の方法よりも予測結果の信頼性の面からみて、より良い方法であることを明らかにする。
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1997 研究イノベーション学会
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