研究 技術 計画
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伝統工芸産業からの産学官連携による地域イノベーション創出に関する課題と提言 : 京都地域及び石川地域における事例研究
岡本 信司
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2009 年 23 巻 4 号 p. 367-382

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抄録

地域におけるイノベーション・システムの構築は我が国の重要政策課題であり,文部科学省の知的クラスター創成事業や経済産業省の産業クラスター計画等の地域クラスター政策をはじめ地方公共団体においても数多くの取り組みがなされている。これら地域クラスター政策の課題として,科学技術基本計画における重点4分野等への偏りが見られており,中央集権的志向,行政主導で地域特有の既存産業や中小企業家等のイニシアティブを促す「内発的発展」の姿勢はないとの指摘がある。一方,我が国には長い歴史と各地域の特性に立脚した伝統工芸産業があるが,需要の低下,新規市場開拓の問題,後継者難等の多くの課題を抱えている。これら伝統工芸に関する技術の中には先端科学技術に応用発展した事例があり,将来の地域イノベーション・システム構築に向けては,各地域の特性を生かした地場産業の一つである伝統工芸産業を基盤とした新たな展開が考えられる。本稿では,伝統工芸から先端技術への創出に向けた産学官連携活動を行っている京都地域と石川地域における活動の事例を分析して,地域における伝統工芸産業などを基盤とする科学技術を活用した「地域伝産学官連携」(地域における伝統工芸産業と大学,国及び地方公共団体,産業界との有機的な連携)の概念を導入した新たなイノベーション創出による地域活性化に関する提言を行う。

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2009 研究イノベーション学会
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