2023 年 38 巻 2 号 p. 261-272
日本における博士人材を取り巻く状況は,博士課程在籍者に対する経済支援の不足,博士課程修了者のキャリアパスの不透明さや不安定な雇用環境などから,優秀な修士課程在籍者が博士課程への進学を忌避しているとの指摘がある。例えば,今や博士課程進学者の半数近くが社会人経験者となっており,こうした博士課程在籍者の変化を踏まえた施策も充実させる余地があると考えられる。
本稿では,日本における博士人材に関する政策の背景や経緯について全体を俯瞰しつつ解説し,特に第6期基本計画に「高度な問題解決能力を身に付けた」「時代の要請に応じた「知」のグローバルリーダー」と形容される博士人材に関する政策やその後の新たな展開の方向性について展望する。