2025 年 39 巻 4 号 p. 389-399
Beyond 5G(B5G)は,5Gを基盤とした次世代通信技術であり,通信速度の向上,遅延削減,多数接続や広範囲なカバレージの実現,自律性の強化,エネルギー効率の向上,持続可能性・セキュリティの確保に加え,デジタル格差の解消や産業競争力の強化といった多様な社会課題に対応することを目指している。この技術は,サイバーフィジカルシステムを支える基盤として位置づけられ,人々の生活と産業を支える「ライフライン」としての役割を果たすことが期待されている。
B5Gの実現には,低遅延・省電力を可能にするオール光ネットワーク,地上インフラに依存しない広範な接続を提供する非地上系ネットワーク,柔軟性を高めるOpenRAN,通信とセンシングの統合を支えるAI技術,周波数帯の高度利用,ローカル5G/6G,ソフトウェア化といった重要技術が必要不可欠である。
さらに,このB5G技術基盤の構築には,学際的研究の推進,インフラ支援の強化,人材育成と供給の戦略が欠かせない。通信技術,AI,半導体,IoTなど多様な分野の連携による研究体制の整備,技術実証のためのテストベッド構築,そして次世代通信を担う研究者の育成が重要である。そのため,国際連携力の向上と国内の省庁間連携を強化することで,人材供給体制の整備を進め,研究成果を社会実装に結びつけるとともに,国際標準化活動に反映させる必要がある。