抄録
乳房切除後の乳房再建の術式に自家組織を使用する皮弁移植術がある.皮弁移植術は組織の欠損部位に自家組織を移植する術式であり,乳房切除後の再建手術では腹直筋皮弁が用いられることが多い.この場合には術前に皮弁に対して優位な栄養血管である深下腹壁動脈穿通枝(以下,穿通枝)を同定する.カラードプラ法を用いて穿通枝を確認しUS下にてマークを行っていたが検査は困難で苦慮することが多い.今回Fusion Imagingとカラードプラ法を併用し穿通枝の同定をした.Fusion ImagingはReal-time Virtual Sonography(以下,RVS)を使用した.40例全例で穿通枝の描出は容易に可能であり,筋膜を貫く部位を確実に同定できた.検出できた穿通枝の本数をCTと比較すると,CTと同数は40例中35例,RVSが2本少なく検出は1例,1本少なく検出は4例であった.穿通枝の血管径は臍部右側では最大1.4 mm,最小0.4 mm 平均値0.8 mm,臍部左側では最大1.3 mm,最小0.4 mm 平均値0.8 mmであった.1 mm以下の微細な血管が多く,検出には装置の条件をより感度の良い設定にする必要がある.40例中35例(87.5%)はCTと同数であり穿通枝の同定はUSでも十分可能であった.RVSを用いることで穿通枝を短時間に検出でき検査時間を圧倒的に短縮できFusion Imagingによる深下腹壁動脈穿通枝の同定は術前検査として極めて有用である.