2016 年 41 巻 1 号 p. 11-16
はじめに:経皮内視鏡的胃瘻造設術を施行した患者の胃瘻カテーテルは,経時的劣化のため定期的交換が必要であり,交換後の胃内留置の確認が必須となる.現在,胃内留置の確認は内視鏡下,もしくは透視下で行われるのが一般的であり,患者に対して負担が大きい.そこで今回,患者の負担軽減を目的に,超音波診断装置を用いた胃内留置の確認の有用性について検討した.
対象と方法:バンパー型胃瘻カテーテル交換患者50例(男性12名,女性38名),平均年齢82.1±10.9歳を対象とした.胃瘻カテーテル交換時に半固形水(水ゼリー)を胃内に注入し無エコー領域を作り,型通りカテーテル交換を行う.交換前,半固形水注入後,交換後の超音波画像より画像の明瞭度を0から4の5段階スコアとして評価した.
結果と考察:超音波画像によるスコアは,交換前1.5±0.7,注入後3.2±0.8,交換後2.6±0.9であった.胃内腔に半固形水を注入することで胃瘻カテーテルの描出が良好となり胃内留置の確認に有用であった.
結論:超音波診断装置による胃瘻カテーテルの胃内留置の確認は,患者に低侵襲であり負担が軽減される.また,交換場所も制限されないため有効な方法であると考えられる.