2019 年 44 巻 1 号 p. 33-39
目的:膝関節屈曲困難例に対する膝関節部外側アプローチ走査法の有用性について検討すること.
外側アプローチ走査法:膝伸展位においてプローブを膝関節部外側の大腿二頭筋腱の背側から約15°仰ぎ見るようにアプローチする.
対象と方法:対象は背側アプローチ走査法(膝関節は軽度屈曲,股関節は軽度外旋位にてプローブを膝窩部からアプローチする)の圧迫法にて血栓を認めた連続15例(65.7±10.5歳,男性10例:女性5例,右肢5例:左肢10例,早期血栓4例:晩期血栓11例).背側および外側アプローチ走査法による長軸断面像にて膝窩静脈の1)描出深度,2) Bモード像における血栓の視認性,3)カラードプラ法による血栓の存在評価と性状評価について比較検討した
結果:1)背側アプローチ走査法:23.1±4.7 mm,外側アプローチ走査法:30.1±9.0 mm.2)“視認不可”はそれぞれ4例(26.7%),10例(66.7%).3)早期血栓4例,晩期血栓11例中ではいずれも血栓の存在評価が可能であり,性状評価も一致した.
結論:外側アプローチ走査法は背側アプローチ走査法に比し膝窩静脈の描出深度は深く,視認性も劣っている傾向であったが血栓の存在と性状評価は同等であった.外側アプローチ走査法は長軸断面カラードプラ法による評価ではあるもののきわめてシンプルな走査法であり膝屈曲困難例に有用と考えられた.