超音波検査技術
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症例報告
超音波検査が診断の契機となった膵神経内分泌腫瘍の1切除例
小佐井 麻衣隈部 力黒松 亮子川野 祐幸安元 真希子石川 博人内藤 嘉紀草野 弘宣安陪 等思中島 収
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2021 年 46 巻 2 号 p. 126-131

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抄録

患者は40代の男性.健診の腹部超音波(以下US)検査で大動脈周囲のリンパ節腫大を指摘された.単純CTでは異常を指摘できず精査を目的に当院へ紹介となった.当院でのUS検査では傍大動脈に35×19 mm大の低エコー腫瘤を認めた.腫瘤の輪郭は整で内部エコーはやや不均一であった.4か月後のUS検査で腫瘤の増大と内部血流シグナル,さらに膵実質との連続性を認め膵鉤部腫瘤が疑われたため他の画像検査でも再精査となった.造影CT・MRIでは造影早期相で軽度の造影効果を認めた.膵頭十二指腸切除術が施行され,最終的に膵神経内分泌腫瘍(pNET G2)と病理診断された.自験例は初回USで腫瘤と膵実質との連続性が確認できず,さらに形態とUS所見がリンパ節と類似していたためリンパ節腫大との鑑別に難渋した.pNETは他の充実性膵腫瘤と比較すると女性に多く,膵体尾部に好発する.US像は一般的に境界明瞭で内部均一な多血性腫瘤として描出される.また,pNETは機能性と非機能性に大別され,それぞれで発見契機や好発部位,US所見が異なる.非機能性は機能性と異なり,偶発的に発見されることが多く好発部位や男女比は一定ではない.US像も多彩で,輪郭不整で内部エコーが不均一となることが多い.自験例のUS所見は非機能性のpNETとして矛盾しなかったが,膵実質や周囲臓器との関連性の観察や腫瘤の血流動態の慎重な観察が本疾患の診断に肝要である.

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© 2021 一般社団法人日本超音波検査学会
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