2023 年 48 巻 2 号 p. 141-150
目的:体外式超音波検査における転移性膵腫瘍の特徴的な所見について,明らかにすること.
対象と方法:超音波検査施行後,病理組織所見で転移性膵腫瘍と診断された32例.超音波所見について全例および原発巣別に後方視的に検討を行った.
結果と考察:描出可能であった27例から得られた超音波所見としては輪郭が整と粗造を合わせ明瞭であったものが22例(81%),腫瘤内部均一が23例(85%),腫瘤内部低輝度が18例(67%)の症例で認めた.辺縁低エコー帯,腫瘤内囊胞成分,腫瘤内血流,腫瘤内高エコースポットは半数程度で認めたが,これらは他の膵充実性病変の特徴と類似しており,これだけでは鑑別が困難と考えられる.一方,腎細胞癌転移症例(12例)に限定すると,辺縁低エコー帯を11例(92%),腫瘤内部血流シグナルを10例(83%)と高頻度で認めており,これらの所見は腎細胞癌転移症例に特徴的な所見と考えられた.
結論:転移性膵腫瘍全例での検討では原発巣が様々で,症例数も少なく,特異的な所見の特定は困難であった.しかし,腎細胞癌転移例では辺縁低エコー帯と腫瘤内血流シグナルが高頻度で認められ,特徴的な所見と考えられた.