超音波検査技術
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症例報告
画像診断で多彩な所見を示し肝細胞癌との鑑別に苦慮した肝紫斑病の1例
岡田 友里河岡 友和浅田 佳奈上田 直幸小林 由衣荒瀬 隆司網岡 慶内川 慎介茂久田 翔有廣 光司岡 志郎
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2024 年 49 巻 5 号 p. 498-505

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抄録

症例は40代男性,主訴は特になし.既往歴は高IgD症候群の疑いで当院に通院中であった.他院の人間ドックの超音波検査で肝腫瘤を指摘され,精査目的で当科紹介となった.来院時の血液検査ではγ-GTPは70 U/Lやや高値であったが,肝予備能や腫瘍マーカー等異常所見は認めない.CRPは6.7 mg/dLと上昇を認め,高IgD症候群の影響で高値を示したと考える.超音波検査では,S6に47×25 mmの等~低エコー腫瘤を指摘した.造影超音波検査では動脈優位相で腫瘤内部が濃染され,門脈優位相では周囲肝実質と同程度の造影効果となり,後血管相では造影効果の低下を認めた.dynamic CTにおいては,動脈相から門脈相で辺縁がわずかに造影され,平衡相では全体がほぼ均一で等吸収から淡い低吸収を示した.MRIでは肝S6に38×35 mmの腫瘤を認め,T1強調画像で肝実質よりわずかな低信号を呈し,T2強調画像で辺縁に淡い高信号,内部はやや低信号を呈し,拡散強調像では高信号となった.画像診断で多彩な所見を呈し確定診断のために経皮的肝生検が行われ,肝紫斑病と診断された.造影超音波検査をし得た肝紫斑病の1例を経験したので報告する.

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© 2024 一般社団法人日本超音波検査学会
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