超音波検査技術
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研究
RAWデータおよびDICOMデータにおけるストレイン解析の差異に関する検討
野中 蓮西尾 進平田 有紀奈野村 侑香山口 夏美森田 沙瑛湯浅 麻美松本 力三Zheng Robert髙橋 智紀西條 良仁楠瀬 賢也山田 博胤佐田 政隆
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2024 年 49 巻 6 号 p. 563-571

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抄録

目的:循環器診療においてGLS(global longitudinal strain)は,臨床に広く普及している.しかし,装置間における計測値の差異が問題となっており,装置非依存性のストレイン解析ソフトウエアを用いることが推奨されている.今回,装置非依存性のストレイン解析ソフトウエアを用いてGLSを計測した場合の,RAWデータとDICOMデータにおけるデータセットの違い,およびDICOMデータのフレームレートの差異がGLS値に及ぼす影響について検討することを目的とした.

対象と方法:徳島大学病院超音波センターで,臨床目的でGE社製Vivid E95により心エコー図検査を施行した患者の中からGLS計測に適した画像が取得できた80例(平均年齢68±14歳,男性54例)を対象とした.GE社製解析ソフトウエアを用いて,RAWデータおよびフレームレートの異なるDICOMデータ(57 fpsと30 fps)でGLSを計測し比較検討した.

結果:RAWデータの平均GLS値は14.7±4.9%,DICOMデータ(57 fps)の平均GLS値は13.2±4.5%,DICOMデータ(30 fps)の平均GLS値は13.2±4.4%であった.RAWデータとDICOMデータ(57 fpsと30 fps)で計測したGLSでは,DICOMデータが有意に低値であった.フレームレートの異なるDICOMデータ間では,有意差は認めなかった.RAWデータおよび2種類のDICOMデータのGLS値は,それぞれ良好な相関関係を認めた(r=0.99).

結語:同一の装置で記録した動画像において,RAWデータおよびDICOMデータでGLSを計測した場合では,フレームレートの差に関係なく,有意にDICOMデータのGLSが低値となった.DICOMデータを用いてGLSを計測する場合は,RAWデータより低値になる可能性があり注意を要する.

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© 2024 一般社団法人日本超音波検査学会
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