日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
第25回学会会長賞論文
排尿機能と姿勢に関する研究 ―理学療法士として排泄姿勢に関与して―
槌野 正裕山下 佳代坊田 友子甲斐 由美高野 正太高野 正博
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2008 年 24 巻 2 号 p. 34-38

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抄録

 排泄リハビリテーション領域では日常生活動作訓練の一環としての起居からトイレへの移動など、一連の動作としてのアプローチがほとんどであり、排泄そのものに目を向けた直接的アプローチは皆無に等しい。
 今回、直腸性便秘のため当院にて排泄訓練を行った10例に対し、ポータブルトイレでの排便姿勢の評価に加えて、排便時の直腸と肛門の怒責圧測定を行った。
 結果排便時姿勢不良例では直腸圧が低く、肛門圧が高い値を示しており、排泄を困難にさせていた。また、排便姿勢不良例に対して姿勢指導を行うことで、直腸圧が上昇し肛門圧は低下した。排便姿勢の変化により骨盤機能が改善し、腹圧が加わりやすくなりスムーズな排便が可能となったと考える。

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