抄録
直腸がん前方切除術後の排便障害を評価する「排便障害評価尺度ver. 2」を開発するため、既存の尺度および文献、専門家の意見を参考に項目を検討した。低位前方切除術後患者46例より回収した174件の調査用紙をもとに分析した結果、二つの下位尺度(【便の保持と排泄】【つきまとう便意】)で構成される12項目の5段階リッカート型スケール(範囲;12~60点)が作成された。
内的整合性を示すクロンバックα係数は、各下位尺度で0.82と0.72、全体で0.84となり、信頼性が確認された。さらに、尺度構造の妥当性を確認するため、共分散構造分析により適合度指標を確認した結果、CFIは0.910となり妥当なモデルであることが示された。