2013 年 29 巻 2 号 p. 24-29
【目的】体位による腹壁皮下脂肪層の変化を検索し、良好なストーマ造設法を示すことを目的とした。
【対象・方法】40から61歳までの健常女性24名を対象とした。左上下腹部の2点にストーマサイトマーキングし、同部の腹壁皮下脂肪層の厚みを超音波で測定した。測定体位は5体位とした。
【結果】腹壁皮下脂肪層の厚みは、上下腹部とも臥位で最も薄く、前屈座位で最も厚く臥位の1.6から1.7倍であった。上下腹部間では、下腹部の腹壁皮下脂肪層が厚い体位が多い。体位による腹壁皮下脂肪層の厚みの変動は下腹部で大きく、BMIが大きい例で有意に大きい。
【結論】体位変化によりストーマ周囲皮膚が陥凹する可能性があり、ストーマ造設時に皮下脂肪層内で腸管に余裕を持たせる必要がある。BMIが大きい例では、上腹部でのストーマ造設が推奨される。