2015 年 31 巻 3 号 p. 91-99
オストミーの歴史をたどってみると、コロストミーの発展に従って、ストーマの処置や装具の進歩がなされ、尿路変向術はこれらに追従した形で共に発展した。著者は50年以上にわたり泌尿器科医として多くの回腸導管術にたずさわり、その長所短所を熟知してきた。しかし、3年前に自身が膀胱癌に罹り膀胱全摘術および回腸導管の手術を受けることとなり、オストメイトとしてその苦労をあじわうこととなった。そのことから、今回泌尿器科医の立場および尿路変向を受けたオストメイトの両面から、回腸導管に関して考察を加え、回腸導管は尿路変向術としての第一選択であると結論した。