日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
31 巻, 3 号
31巻3号(通巻85号)
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表紙
原著
  • 国武 ひかり, 佐藤 郷子, 野明 俊裕, 荒木 靖三, 高野 正博
    2015 年 31 巻 3 号 p. 72-82
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/07/17
    ジャーナル フリー

     高齢者を中心とした2,250名を対象として、WexnerスコアやConstipation Scoring System(以下、CSS)スコアを参考に質問票を作成し、排便に関連したアンケート調査を実施した。アンケート回答者のうち、60歳以上の1,709名から得られた結果を分析した。その結果、便失禁、尿失禁、ガス失禁の有症率はそれぞれ、5.3%、20.5%、29.8%であった。便失禁に着目して分析した結果、便失禁の有症率は、男性では尿失禁がある場合20.1倍、女性では尿失禁がある場合は5.8倍、ガス失禁がある場合は5.0倍になることが分かった。

  • 西口 幸雄
    2015 年 31 巻 3 号 p. 83-90
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/07/17
    ジャーナル フリー

     研究会、講習会は、各地域で非常に苦労して組織化し、またその組織の維持についてもかなり苦労を強いられる。関西では非常にうまく現在組織化されているので、これまでの経過について述べる。

     研究会は昭和56年10月に第1回目が開催された。おそらく大阪大学の進藤先生や安富先生や堂本さんたちが中心になって初期の組織を作られたのだろう。その後は研究会は年に1-2回定期的に行われ、現在は年に1回6月に開催されている。研究会は世話人により運営され、世話人には関西の主な施設と大学病院での代表者が就任し、認定看護獅も活発な活動を行っているものは世話人に就任してもらっている。現在は世話人27人が年に1回研究会の開催時に会議を行い、予算・決算の承認のほか、雑誌STOMA発刊の報告なども行っている。この組織は人員の入れ替えは適宜おこない、大阪市都島区にある事務所で秘書が常駐し、研究会組織および事業の管理を行っている。費用はすべて会員の年会費で賄われている。

     講習会は昭和57年7月に第1回目が開催された。これも大阪大学の進藤先生たちを中心とした有志ではじめられたと聞く。その後現在まで毎年開催されているが、現在は、研究会の事業としての講習会で、講習会の実行委員によって運営されている。実行委員は153人で、それにボランティアが加わり、運営されている。実行委員は毎年少しずつ入れ替わりがあり、新しい認定看護師も毎年ボランティアとして参加している。

     関西では、研究会も講習会もまず会員になることから始まる。会員の中で研究会の中心となる人物を世話人として選び、講習会は会員の中から実行委員を選ぶ。研究会という組織を予算を含めて固めておけばそれに見合った活動ができる。研究会の事業として講習会の開催、雑誌STOMAの発刊を行っているが、余裕が出てくればそのほかいろいろな事業の提案も受け入れたいと考えている。

  • 一医師として、オストメイトとして一
    岡田 清己
    2015 年 31 巻 3 号 p. 91-99
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/07/17
    ジャーナル フリー

     オストミーの歴史をたどってみると、コロストミーの発展に従って、ストーマの処置や装具の進歩がなされ、尿路変向術はこれらに追従した形で共に発展した。著者は50年以上にわたり泌尿器科医として多くの回腸導管術にたずさわり、その長所短所を熟知してきた。しかし、3年前に自身が膀胱癌に罹り膀胱全摘術および回腸導管の手術を受けることとなり、オストメイトとしてその苦労をあじわうこととなった。そのことから、今回泌尿器科医の立場および尿路変向を受けたオストメイトの両面から、回腸導管に関して考察を加え、回腸導管は尿路変向術としての第一選択であると結論した。

短報
  • 岩川 和秀, 後口 美香, 廣谷 まりこ, 戸田 裕江
    2015 年 31 巻 3 号 p. 100-104
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/07/17
    ジャーナル フリー

     管理困難な双口式ストーマ脱出に対して種々の報告があるが、確立された術式はない。今回、われわれは双口式ストーマ脱出に対しAltemeier法を応用してストーマ形成術を3例に施行した。症例は2例が横行結腸の脱出で、1例が回腸の脱出であった。脱出長は10から15cmであった。全例で術後創痛は全くなく、2日目より食事を開始し、3日目より本人のストーマケアを再開できた。平均手術時間は46.5分であった。本術式は皮膚切開や開腹術を要しないため低侵襲であるだけでなく、腸管切除することにより他の術式より高い根治性が期待できる。また術前と同じストーマに戻るためストーマ管理も容易である。本術式は手技が容易であり、ハイリスク症例にも適応でき有用な方法と思われる。

地方会抄録(地域研究会記録)
編集後記
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