日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
原著
ストーマ術後早期合併症とストーマ管理困難性に関する検討
大垣 聡子玉城 洋子楠山 明山本 真司穴澤 貞夫
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2019 年 35 巻 3 号 p. 85-97

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抄録

【目的】ストーマ早期合併症と社会復帰時のストーマ管理困難性の関係を検討する。

【方法】消化管ストーマ造設術後症例を対象に、術後2ヵ月の期間で以下3項目の関係を検討した:(1)ストーマ早期合併症、(2)社会復帰時の装具装着部状況、(3)改訂版ストーマ管理度分類(A、B、Cの順に管理が容易)によるストーマ管理困難度。

【結果】40例中29例(72.5%)に56件の合併症を認めた。合併症が高度な程、装具装着部状況が不良な割合が有意に高かった。管理度A、B、Cの割合は、無合併症群で91%、9%、0%に対して、合併症有り群で45%、31%、24%と、合併症があると管理困難性が有意に高かった(P=0.028)。また合併症の程度による違いに関しては、管理度A、B、Cの割合は、軽度群で83%、17%、0%に対して、高度群で35%、35%、30%と、その差は有意ではないが、合併症高度群の方が、管理困難性が高い傾向を認めた(P=0.089)。

【結論】ストーマ早期合併症がストーマ管理困難性を高めることを確認した。

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© 2019 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
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