2020 年 36 巻 3 号 p. 94-99
【目的】ストーマ造設患者のストーマセルフケア確立を困難にする要因を明らかにし、セルフケア確立困難予測患者への支援のあり方の示唆を得ることである。
【方法】消化管ストーマを造設した患者を対象に、ストーマセルフケアの自立群と非自立群で2群間比較を行った。
【結果】セルフケア確立困難の要因は、75歳以上、日常生活自立度の低下、理解力の低下、視力低下、手指巧緻性低下、上肢の麻痺、術後回復遅延、ストーマ合併症、悪性腫瘍であった。
【結論】術前からセルフケア確立を予測するためには、75歳以上、日常生活自立度の低下、理解力の低下、視力低下、手指巧緻性の低下、上肢の麻痺をアセスメントし、1つでも当てはまる場合は、入院前から患者の能力に合わせたセルフケア方法を立案する。また、セルフケア能力が低下した場合は、ケア方法と目標を修正し早期に家族の協力や社会資源の活用を検討する必要がある。