日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
研究報告
ストーマ造設・ケアの実態に関する多施設アンケート調査―医師と看護師の各立場から―
小澤 平太丸山 和子小川 洋子瀬尾 雄樹鯉沼 広治石塚 満板橋 道朗
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2023 年 39 巻 3 号 p. 169-178

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抄録

【目的】ストーマ造設とケアに関する考え方に、医師と看護師の間で相違があるのかを明らかにする。

【方法】栃木県ストーマ研究会所属の23施設に勤務する医師23名と第37回栃木県ストーマ研究会に参加した看護師37名(うち皮膚・排泄ケア認定看護師、以下、WOCN:12名)を対象に、メールまたはオンラインでアンケート調査を行った。

【結果】ストーマサイトマーキングは22施設(96%)で実施されていたが、WOCNがマーキングに関与している施設は、待機手術で12施設(55%)に対して緊急手術では6施設(27%)であった。一時的ストーマを回腸で造設すると回答した医師は86%であったが、97%の看護師は、結腸のほうがケアしやすいと回答した。回腸双孔式ストーマの排泄口の高さ比(口側:肛門側)は、医師は2:1など「口側を少し高くする」が69.6%、1:1が13.0%、10:0が17.4%で、看護師の希望は2:1が46.5%、1:1が21.5%、10:0が32.0%であり、看護師は、肛門側は低いほうがケアしやすいという回答が多かった。

【結語】造設する側の医師とケアする側の看護師の間で、ストーマに対する考え方に少なからず相違があると思われた。

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© 2023 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
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