抄録
【目的】二分脊椎症において、洗腸手技の自立を目的とした従来法からぺリスティーンによる経肛門的洗腸療法への移行の有用性を検討する。
【方法】従来法による洗腸中で手技自立困難のためにペリスティーンに移行した症例を対象に、移行後の手技自立達成率と洗腸継続状況を後方視的に検討した。
【結果】対象は脊髄髄膜瘤の11例(年齢:12-21歳、男7/女4)で、ペリスティーンへの移行時年齢は10-18歳(中央値13歳)であった。ペリスティーンを継続できたのは9例(82%)で、5-38ヵ月(中央値21ヵ月)間継続しており、手技自立が達成できたのは8例(自立達成率:73%)であった。非自立の1例は、介助者の負担軽減と排便状況改善が得られていたため洗腸が継続されていた。ペリスティーン中止2例の原因は、導入初期のカテーテル脱出や嘔吐の出現であった。
【結論】二分脊椎症において、従来法で洗腸手技の自立が困難な症例に対するぺリスティーンへの移行は、自立促進に有用である。