抄録
本研究は、中国における実効的な意匠制度を構築していくために,現行制度の運用実態と制度が抱える課題について調査・考察を行ったものである。「中国の現行意匠法制度の特徴とその運用の実状調査」と「現行意匠法に対する中国企業の意識調査」の2つの調査に基づいている。その結果、以下の点を明らかにしている。(1)中国では、特許法、意匠法、実用新案法は,独立した法体系として整備されておらず,このことが、制度運用を困難にしている大きな要因である。(2)中国は意匠出願に対して形式審査制度のみを採用し、実体審査を行っていない。(3)中国では、外国では公知であっても、中国内出版社への公開発表がなされていない限り、意匠特許登録が無効とはされていない。