抄録
高齢者や障害のある人の利用に配慮した製品開発においては、障害による制約を排除するため、技術的な配慮の検討が重要となる。しかし、開発プロセスにおいて、技術的な障害への配慮だけでなく、障害に起因する心理面や個人の嗜好性といった感性に関わる配慮についても検証や評価を行うことで、障害のある人のニーズを踏まえた配慮の内容が、より明確に検討されると考えられる。本調査では、障害に対する技術的な配慮への評価と、障害に起因した感性的な評価との関連性の検証を踏まえ、評価指標の作成とその方法の検討を図ることを目的とした。評価指標の基となる要素を抽出するため、高齢者や障害のある人々を対象に、生活空間の身近な製品への具体的な評価を聞き取るインタビュー調査を行った。調査によって収集した評価言語から、障害に関する技術に関わる評価要因と感性に関わる評価要因を抽出し、その分類と内容のつながりを整理した。それによって、障害のある人々に特有と思われる評価内容を抽出し、それらの技術に関する評価と感性に関する評価との関連性を捉えた。また、それを基に障害に配慮した技術に関する評価指標と感性に関する評価指標を作成した。