日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第53回研究発表大会
セッションID: P04
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電子フォームデザインのための人のふるまいの観察
電子フォームのインタラクションデザイン研究
*寺沢 秀雄木幡 愛理小野田 篤山崎 真湖人
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抄録
各種届出や申請などの様々な定型書式(フォーム)は,地域の人々と地方自治体を結ぶ大切な役割を担っている.本研究は,電子申請における操作と現実世界での人のふるまいを観察し対比することで,電子フォームをデザインするために必要な要件を確認することを目的とする.人々が知的な行為を達成する際に,自分の周辺環境をどのように用いているのかを観察し,状況に埋め込まれた行為の本質的特徴を見出すことは重要である.ここでは,北海道函館市役所において市民が申請を行う様子を観察した.続いて,埼玉県桶川市の申請・届出サービスを利用体験した.本研究では,それぞれの調査内容を対比させることで,使いやすい電子フォームの要件を確認するという方法をとった.本稿ではその一例として,指さし,ペン先の固定,添え手,手渡しといった人のふるまいと電子申請における操作とを対比した.このことから,電子フォームをデザインするには,申請時の状況と人の思考をよく理解した上で作成する必要があると考える.今後は,紙のフォームに慣れたユーザが違和感なく電子フォームに移行できるような安心感にも配慮することが求められるだろう.
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© 2006 日本デザイン学会
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