日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第53回研究発表大会
セッションID: P10
会議情報

ごみの「ポイ捨て」の未然防止に関する調査・研究
千葉市・駅周辺地域におけるごみ捨て行為の実態調査に基づいて
*植田 憲高野 維斗神崎 広史宮崎 清
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

 今日、公共空間におけるごみの「ポイ捨て」が、大きな社会問題となっている。それは、千葉市においても例外ではない。「千葉市空き缶等の散乱の防止に関する条例」の施行後、散乱ごみは総じて減少したものの、一部でごみの「ポイ捨て」行為が散見され、都市景観の阻害などの問題が生じている。本研究は、繁華街および公園における現地調査に基づき、ごみの「ポイ捨て」行為の実態を把握するとともに、「ポイ捨て」の防止対策に関する具体的方策の提案を行うことを目的とした。 本研究では、文献調査ならびにフィールド調査に基づき、以下の提案を行った。(1) ごみが発生する「場」における対策a)「置き去り行為」による「ポイ捨て」に対する対策b)「置き捨て行為」「隠し捨てる行為」による「ポイ捨て」に対する対策(2) ごみとなる容器・包装等の「物体」そのものに対する対策(3) ごみとなる容器・包装等の「物体」を販売する「自動販売機」「店舗」における対策a) 自動販売機における対策b) 店舗における対策(4) 美化ボランティア活動の支援 ごみの「ポイ捨て」を啓発する方法としては、同世代からの電子音や録音メッセージやサインなど、多様な方法を提案した。このような技術的な工夫や、「人から人への呼びかけ」に基づき、社会として、モラルを向上してくことが求められる。本研究では、必ずしも罰則に頼るのではなく、関係者の協力や工夫によって、モラルを向上させ、社会全体として、ごみの「ポイ捨て」を解決していく方向性を示唆することができた。

著者関連情報
© 2006 日本デザイン学会
前の記事 次の記事
feedback
Top