抄録
情報デザインの分野で対象となっているICT (Information & Communication Technology)の道具は、私たちのいままでの生活の中にない道具である。そして、それらの道具を使うことは、私たちの活動の根本を変えることになる。そのような道具をデザインするためには、いまの私たちの活動を観察することでは本当に使える道具はできない。私たちの活動の本質を、ユーザによる語りの中から見つけ出していくことが必要となる。本稿では、農業フィールドでの、農作業支援のためのツール開発を事例として、「語り」と「意味」がどのように取り扱われたかをみた。