抄録
従来の振動・揺動研究は、人体に及ぼす不快な影響の生理的・主観的評価やその予測に興味が置かれている。そのために、それらの研究のほとんどは振動・揺動をいかに軽減できるかに着目した研究に特化することになり、振動自体を低減することが目標となっていた。これに対して、振動・揺動を積極的に活用する方向で研究を行っている例はほとんど見当たらないのが現状である。振動・揺動は人にとって不快感を与えるだけでなく、特定のそれは快感情を誘発する。そこで本研究においては、振動および揺動を「快」の視点から取り扱い、快感情を誘発する振動・揺動を生理・心理・物理の三指標から解明することをその目的とした。結果として,自発的揺動刺激実験により、血圧がその評価において有効な指標の一つであることが示唆された。また上下振動刺激実験から、ヒトは振動により消極的快と積極的快が誘発されることが明らかになり、その評価には血圧が有効な指標であることが示唆された。