抄録
本研究は感性的側面から電動車椅子の機能・性能を向上させることを目的とする。健常者の日常行動を観察してみると、移動していない状態、例えば、座っている状態であっても人は非常に動的である。一見、必要性の感じられない着座時の剰余的運動は、目的が明快な動作と違い非常に感性的な意味を持つのではないだろうか。本研究では感性に関わると推測される動作要素の抽出過程から、既存の電動車椅子が持ち合わせないごく微少な動作(本論文では微動と呼ぶ)機能を可能としてゆくことによって下肢障害者が身体の調和を取り戻して行くことが出来るのではないかという考えに至った。特にオフィスでの使用を想定し次の微動運動に着目した。
・ストレス回避などのために行われるUG(無意識的動作:unconscious gesture をUGと本研究では略す)
・ 微少な位置修正
これら微動運動の動因について仮説を立て、微動運動を機器的に再現するための実験的なデバイスを設計・制作し評価実験の計画を立てたので報告する。