これまでに発表者らは,基礎デザイン教育から各専門デザイン分野での教育(応用デザイン教育)を連係させる造形教育として「コンポジション」に注目した.バウハウスでの教育カリキュラムに示される「KOMPOSITIONLEHRE」は教育現場での試行錯誤の段階で中断されていると考えられる.この「コンポジション」の教育方法の成立させることについて検討を行なってきた.今回は,これまでの我々の先行研究の中で設定した課題制作に対して評価項目について,画像計測と認知科学を用いて行なった定量的な評価方法の提案に関する研究成果の概要を解説する.対象とするのは,コンポジションされた平面図形の中に形成される色面における各色面間の「面積比のばらつき」,「明度のばらつき」,「色相のばらつき」と「形態のまとまり」に関する「形態のアウトラインのまとまり」,「コンポジション・エレメントの視認性」を取り上げる.これらの評価項目においての定量的評価方法は教育者の評価における相関関係において正の相関を示しており、有効であることが示されている.しかし検討を行なっていない評価項目が多く残され、今後の研究課題として取り組んでいきたい.