触知のための案内図記号のデザインに係わる認知力調査をした。写真を線画にした7種の基本図形に3属性として要素数E、曲線数C、直線数Lを与え、単純化したサンプルを用いて視覚障害者の分かりやすさに対する影響力を重回帰分析により分析した。その結果、女性、犬、車は直線数に、子供、男性、飛行機は曲線数、鹿は要素数に影響されていることと、望ましい単純化の程度を知ることができた。さらに、より分かりやすいデザイン作成のため、理論値が高いデザインを試案した結果、理論値が高くても分かりやすさへの影響は少なかった。また、データを基準化して一般的傾向を求めた結果、曲線数や直線数の増加がプラスに働く傾向が確かめられた。これらの調査結果は今後の触知のための案内用図記号のデザイン作成に有効である。