日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第56回研究発表大会
セッションID: E18
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アンジョロ・マッツォーニの駅舎と家具デザイン
イタリア近代の鉄道デザイン研究
*臼井 敬太郎
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抄録

イタリア人の官吏・建築家アンジョロ・マッツォーニは、2大戦間期にイタリア全土にわたってモダンデザインの駅舎を多数実現した。1935年以降に竣工した駅舎については、彼は建築のみならずベンチやカウンターなど造付け家具、椅子や机、棚など据置家具、そしてコーヒーメーカーなどプロダクト、駅名板などグラフィック、さらには鋏立てなどステーショナリーまで、ありとあらゆるものを設計している。駅舎の建築と家具のデザイン的特徴について通覧すると、各駅でほぼ同じスタイルが繰り返されている。そして、建築と家具の形態を極端なまでに単純化させることでトータルなデザインとしての全体的な統一感が図られている。マッツォーニは一貫してこのようなトータルデザインを追求し、結果的にモダンデザインの駅舎を全国的に普及させた。イタリア国鉄の一つの駅舎スタイルを実現した建築家として、マッツォーニを改めて評価する。

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© 2009 日本デザイン学会
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