日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第56回研究発表大会
セッションID: E20
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画家志望青年青木志満六はどのようにして図案家となったか
昭和初期の会津若松における図案家の職業形成と仕事
*田中 みなみ
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抄録
昭和初期の会津若松における図案家、青木志満六について、国会図書館所蔵の出版物、ならびに、近親者への聞き取り調査をおこない、次の点を明らかした。 (1)漆器同業組合で発行された漆器図案集の図案は志満六によるものであると結論づけることができる。 (2)三越呉服店の友禅部において仕事をしたことが図案の習得につながった。また、会津若松に移った後は、東京や京都で刊行された図案集や東北地方の展覧会の出品作品を参考にした独学であった。 (3)輸出向け製品に関する知識や図柄については、展覧会や工芸指導所の刊行物を参考にしていた。 (4)大正期に三越呉服店および白木屋呉服店の図案部は、商品の図案ばかりでなく、広告や店内装飾までを広く手がけていた。会津若松に移ってからの志満六の仕事の広汎性は、百貨店時代に築かれた。
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© 2009 日本デザイン学会
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